λ(ラムダ)コントロール排気ガス測定診断
現在、日本の使用過程車における車検基準ではCO・HCのみに排ガス基準があります(ガソリン車)、しかもアイドリング時のみの測定です。近年は有害物質の排出の抑制は勿論ですが、より燃費が良く、環境に優しい排出ガス基準が求められています。
ヨーロッパでは、5ガステストが一般的です(CO・HC・CO2・O2・λ)、
各測定結果から”λ”値を検出し、これが狂っている場合、燃費や排気ガスに問題があります、各ガスのデータを基に今後の 点検・整備方向を検討する為の点検です。
当店では実走行に近い形で高回転域での排気ガス点検も行っています。
λコントロール不具合の具体例
排気ガスの臭いが気になるとのご依頼です、エンジンの不調は特には無いとの事です。
早速、ボッシュシステムアナライザにて、排気ガス測定してみると、日本の車検基準では問題ない範囲ですが、【λ】が異常値を指しています、CO(一酸化炭素)とHC(生ガス)が基準値より高めです。
その後、エンジンコントロール診断を行い、O2(ラムダ)センサーの異常を発見し、交換修理いたしました、排気ガスも基準値内に収まり、環境負荷がぐっと大きく減りました。問題の臭いも改善され、良い結果が得られました
【交換したO2センサー】
【測定中表示】
今回の整備車両
メルセデスベンツ E320 W210055
年式 1997年
走行距離 74000km
アイドリング時の点検 | 基準値 | 整備前 | 整備後 | 車検の基準 |
CO(%) | ~0.5 | 1.5 | 0 | ~4.5 |
CO2(%) | 12.5~ | 14.1 | 14.9 | — |
HC(ppm) | ~150 | 201 | 22 | ~1200 |
O2(%) | ~0.5 | 0 | 0 | — |
λ | 0.97~1.03 | 0.95 | 1 | — |
高回転時の点検 | 基準値 | 整備前 | 整備後 | 車検の基準 |
CO(%) | ~0.5 | 3.52 | 0.01 | — |
CO2(%) | 12.5~ | 12.8 | 14.9 | — |
HC(ppm) | ~150 | 218 | 21 | — |
O2(%) | ~0.5 | 0 | 0 | — |
λ | 0.97~1.03 | 0.89 | 1 | — |
*高回転とは2800rpm~320rpm0程度の回転数です。